弟が引きこもり、解決策はあるのか?

順子「ず…、随分賑やかなお店なんですね…(汗)」

リナ「いや…毎晩、ほんの3分程だけ大騒ぎになるだけ!これで落ち着いた雰囲気に戻るから、ねえナム」

ナム「はい、3分騒ぎますね♪」

今日子「あの人(ブッくん)…どうなったんですか…?」

リナ「いいのいいの、どーせ色んな意味でどうにもならないんだから(笑)」

順子「そろそろ閉店時間ですか?」

コルク「いいえ、あと1時間半ほど開けてますよ」

と、念入りに手を洗いながら答えるマスターコルク。

 

今日子「じゃ、じゃあ私も聞いてみたい事があるんですけど…」

コルク「もちろん、いいですよ、ただ、お役に立てるかどうかは…」

今日子「3つあるんです、どれにしょうかな…」

順子「3つ?何3つって?」

今日子「まずは、さっきの話を詳しく聞きたい…が1つめ。2つ目は最初に順子が聞いた時、マスターが『2つ思いついたけど、どっちがいいかな』って言ってた、もう1つの方。3つ目は…私の弟のこと…」

リナ「弟のこと…?弟さんがどうかしたの?」

今日子「私の弟なんですが…、ずっと引きこもりで…ほとんど部屋から出てこないんです…、それで両親も、私もずっと心配してて…マスターだったらこの事に対してどう答えるのかなって…」

リナ「ずっと、ってどの位?」

今日子「12年程…」

リナ「12年…か…、マスターどう思う?」

コルク「ウイスキーなら美味しくなってますね…」

 

今日子「…」

順子「…」

ナム「…♪」

リナ「あ〜、マスターまたやっちゃった〜、いらないの!それはっ!たまにやっちゃうんだよねぇ、マスター」

今日子「やっちゃうんですか…(汗)」

 

コルク「しっ!失礼しました…(汗)。どうも昔から…こういう所が治らなくて…」

リナ「はい!気をとりなおして、答えるっ!」

 

コルク「はいっ!…。それは確かに心配になりますよねぇ…、同じ年の人たちは高校へ行って大学、もしくは就職、専門学校なんかに進んで行く中、部屋から出てこれないとなるとねぇ」

今日子「そうなんです、親も一時期は何とか外に出そうと必死になってたんですけど…、やはりダメで…、もう、どうしたらいいのかって感じで…」

 

コルク「はい、分かりました。それに答えるとなると…。ちょっと言いづらいんですが…」

今日子「いいですよ!言ってください」

コルク「まず、ご家族の皆様は、弟さんの事を真剣にお考えだというのは、伝わってくるんですが…」

今日子「はい、親も私も、弟だってみんなと同様、幸せな人生を送って欲しいと思って」

コルク「…、これは意地悪で言うんじゃないですけど…、みんなと同様だと幸せな人生を送れるって思うのは何故なんですか?」

今日子「え…?」

コルク「いや、言いたい事はわかるんですよ…。ただ…、ちょっと斜めから見ると、社会に出ても倒産があったり、セクハラだのパワハラだの、リストラ…、質の悪い所では大人でもイジメがあったり…。外に出て働けました、めでたしめでたしとは、なかなか…」

今日子「確かに…。でも、このままじゃ、自分で生きていけない…自立できないし、やっぱりこのままでいいとは言えないと思うんですけど…」

コルク「いや、このままでいいと言っている訳ではないんですよ…、何と言うか…、視点を変えて見てもいいんじゃないかと…」

リナ「ちょっと、マスター!もうちょっとハッキリ言ってよ!」

コルク「りょ、了解。では、誤解のないように言っておきますが、あくまでマスター流の答えであって、受け入れられないかもしれませんよ?多少の心の準備をしてください。いいですか?」

今日子「分かりました」

 

コルク「では!…。結局、この問題は何がいいか悪いかの問題ではないって事なんですよ。弟さんの事を思ってどう言う事をしたんですか?」

今日子「父は力ずくで出そうとした事もありましたし、母も私も、何度も話し合おうって言ったり、こう言う事をしてみないかと思いつく限り、勧めてみたり…思いつく事は何でもやってきたと思います…」

コルク「おそらくそうでしょう。ただ…それは、弟さんそのものではなく背景…と言いますか…条件的な話ばかりだったのかもしれませんよ…」

今日子「…」

リナ「ちょっと、よく分かんない」

ナム「分かりません♪」

 

コルク「まず、人の幸せは他人が図れるものではありませんよね?例えば今日子さんのご両親が、『この男の人と結婚しなさい、それがあなたのため』なんて言われたらどう思いますか?」

今日子「絶対嫌です!」

リナ「ゴメンだな」

 

コルク「ただ、ご両親は今日子さんの幸せを本気で考えている事も間違えないんですよ、そう思いません?」

今日子「確かに…、でも…」

コルク「これはあくまで、大げさに例を挙げてみたんですよ。自分の価値感で人を導こうとした場合はこうなるんです」

リナ「うんうん、そうなっちゃうね」

 

コルク「でしょう?つまり、弟さんに「こうしないと、あなたはダメなんだ」「この歳ではこうするものなんだ」と言いたいのは分かるけど…、その根拠はどこから…?おそらく、大多数の人がそうだから、位なんですよ。それが弟さん本人をみているのではなく、条件的なものに目がいきすぎているんじゃないか…、と私はとらえたんです」

今日子「…」

順子「うん、うん、何となく分かる」

リナ「じゃ、じゃあ…条件的なものじゃなく、弟さん本人を見た場合はどうなるの?」

順子「そうそう!どうなるんですか?」

 

コルク「では本人を見た場合…」

 

ナム「きゃああああーっ!」

リナ「うわっ!びっくりしたーっ!どーしたのよナム?」

 

ナム「あっ、あれ見てください…」

と窓を指差すナム。

 

リナ「何だアレ…?窓に何か…くっついてる、曇っててよく見えない…」

順子「あれっ⁈ さっきの人じゃない…?」

コルク「ブッくんだ…、まだ居たんだ」

今日子「横向いて…、耳を窓にくっつけてる…」

コルク「話を聞いてたんだ…、ちなみに窓の曇りはブッくんの吐息だね…」

リナ「何なんだよ…アイツは…」

 

ガラガラ〜っと窓を開けるマスターコルク。

 

コルク「何してんの…?」

ブッくん「ちょっと小耳に挟んだんだけど…」

リナ「小耳じゃねーだろ!明らかに意図的に盗み聞きしてたろ💢」

 

ブッくん「引きこもりの人の気持ちなら、誰よりも僕が分かると思うんだけどなぁ〜」

 

コルク「確かに…!何故かそんな気がする…!でも…」

ブッくん「でも、何だい?」

 

リナ「コイツには聞きたくねええええええ!」

順子「私も!」

今日子「私も!」

ナム「私も♪」

 

その場にいる皆の意見が一致したのを確認したマスターコルク。

ガラガラ〜と窓を閉めなおす…。

が、閉められまいと開けようとするブッくん!

 

ブッくん「待ちなよ!僕の話を聞きなよ!」

 

リナ「うるせーな!閉めちゃえ窓っ!手ぇ離せよっ!」

と、リナも窓を閉めようとする!

 

ブッくん「痛てててーっ!指詰めちゃうじゃないかーっ!」

コルク「ナムちゃん!洗剤とって!食器洗いの洗剤!」

ナム「はい、どうぞ♪」

 

コルク「リナさん、窓閉めてて!さぁ、ブッくん、手を離さないなら、この洗剤をかけちゃうぞぉ〜、手が滑るぞぉ〜」

ブッくん「や!やめろーっ!」

 

コルク「はい!つるんっ」

 

その瞬間、手が滑ったブッくんは、リナに閉められた窓により思いっきり指をつめたのであった…。

 

「がああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 

夜更けに雄叫びがこだまする中…、さらに月夜に闇は更けていくのであった★彡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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