新たに登場!山ノ内課長と部下の佐藤、出張中の倉本

リナとブッくんの騒動がようやく終わり、BARcorkに静寂が訪れていた。

オープン早々の役一時間半で、かなりのエネルギーを使ってしまったマスターコルクさんはグラスを磨いている…。

ブッくんは4杯目のビールを飲みながら、スマホを見ており、時々「クスッ」と笑っている…。

反対側の隅の席で、リナとナムはカクテルを飲みながら仕事の話をしているようだ…。

リナが愚痴をこぼし、ナムは笑顔で頷いている…。

 

その状況が役程30分過ぎた頃、店内に流れるジャズを遮るかのように『カランカラ〜ン』とドアが開いた…。

 

コルク「いらっしゃいませ」

入ってきたのは二人のサラリーマン、一人は貫禄のある体格で50歳位、もう一人は30歳位の細身で小柄、どこかオドオドした感じを醸し出している。

「ここは今日オープンしたらしいね、わしは表のビルの〇〇会社で課長をやっている山ノ内というものだ、酒が好きなもんでねぇ、時々使わせてもらうよ」

と、ご丁寧に名刺を差し出してきた…。

コルク「あ、どうも恐縮です」と名刺を受け取る。

『〇〇会社 〇〇課長 山ノ内(やまのうち)保(たもつ)』

山ノ内「ここに座っていいかな?」

コルク「はい、どうぞ」

山ノ内「佐藤くんも座りなさい」

佐藤「はいっっ、課長!」

と、やたら低姿勢に返事をして、隣に座る佐藤くん。

佐藤「マスター!課長にビールを!僕はハイボールで」

コルク「かしこまりました」

…。

 

山ノ内「全く、最近の若いもんは…、挨拶一つろくに出来やしない、困ったもんだ全く…こんな事じゃ我が社はどうなっていくんだ…」

佐藤「はい!おしゃる通りでございます!私目がもっともっと教育していきますので、どうぞお一つ…、マスター、課長にビールをもう一杯!」

コルク「かしこまりました」

 

『カランカラ〜ン』

 

コルク「いらっしゃいませ」

入ってきたのは、30代半ばくらいのビジネスマン風の男性、短髪で黒縁メガネをかけている。

カウンターに座ったと同時に『プルプル〜』と携帯が鳴った。

「はい、倉本です…、はい…はい、分かりました…では来週にでも…」

と、用件だけをささっと話し、すぐに電話を切った。

倉本「マスター、金沢っていうか石川県ていうか…、観光スポットとかあるかな?出張で来てて、この辺りの事よく知らないんだ、明日は午後から時間あるからどこか行ってみようと思ってさ」

コルク「出張ですか、お疲れ様です。この金沢の観光地として有名なのは『兼六園』『金沢城、石川門』『近江町(おおみちょう)市場』『武家屋敷』『東茶屋』などでしょうか…。少し足を伸ばされるのであれば…『白山比咩神社』があります、日本中にある『白山神社』の中心になる神社です。あと…、レンタカーや電車で、とことん奥能登を目指すのであれば、ほぼ最先端に『ランプの宿』という温泉もございますが…、半日では難しかと…。今、ざっと思いついた所ではその辺りです」

倉本「なるほど…、兼六園行ってみようかなぁ…」

 

倉本は酒が強いようで、ウイスキーをロックで飲み始めた。

 

店内には時折、「はいっ」「そうですね」とやや大きめに返事をしている佐藤の声がコダマしていた…。

 

そんな中、すでに顔を赤く染めた倉本が、つぶやくよに…

「全く、大変だな…サラリーマンてやつは…、上司にペコペコ下げたくもねぇ頭下げちゃって、まるで起き上がりこぶしだな…」

 

 

その瞬間、山ノ内と佐藤が倉本の方に目をやった。

 

倉本「ん?何?別にあんた達の事行ってねぇけど」と含み笑いをした。

佐藤「失礼だろっ!あんた!私は課長の話をありがたく聞いてるだけだ」

と声を荒げるものの、どこかオドオドしている佐藤。

倉本「なーああにが、ありがたくだよ、どーせ出世狙ってへーこらしてるだけじゃねーか!絶対出世すんなよ、お前みてーなのが出世すると周りが迷惑するからな、そんな奴を従えてる上司ってのも切なくなるねぇ、そんなのしか話聞いてくれる相手がいねぇだけだって、心のどこかで分かってるのにねぇ」

山ノ内「何っ💢」

佐藤「謝りたまえ!君!」

と、ついに佐藤が立ち上がった!

コルク「ちょちょっと、お客様、落ち着いて(汗)」

慌てて静止に入るマスターコルク。

 

そこへ、トイレから千鳥足で出て来たリナが近づいて来た。

リナ「ちょと、あんた達ぃ、大の大人がみっともないわよぉ、お店に迷惑でしょう」

その瞬間、なぜかブッくんと目が会ったマスターコルク。

 

倉本「あ〜あ、ついにこんな若いお姉ちゃんに怒られちゃった!どうするんだ?マヨネーズくん」

佐藤「サトウだ!」

リナ「声がでかいぞ!うるせーんだよ!このケチャッップは!ねえナム」

ナム「はい、ケチャップうるさいですね♪」

佐藤「サトウだ!」

コルク「ちょっと落ち着いて(汗)」

 

佐藤「だいたい君(倉本)がいけないんじゃないか!」

倉本「えっ?何がぁ?」

倉本のスカした態度に、更に声を荒げる佐藤!

佐藤「君は僕だけに限らず、課長の山ノ内さんの事までっ💢」

リナ「うるせーって言ってんだろっ!何が『浣腸の幕ノ内』だ!どれだけ偉いってんだ!」

山ノ内「課長の山ノ内だ!💢」

リナ「どっちでもいいんだよ!そんなもん!ねえナム」

ナム「はい、どっちでもいいですね♪」

 

倉本「そんな事より、電話のバイブが震えてるぞ?幕ノ内弁当さん」

山ノ内「ん?…。はいもしもし、ももちゃん!」

佐藤「娘さんか…」

山ノ内「うんうん、また財布無くしてお金なくなっちゃったの?これで12回目だよぉ…、あ〜泣かないで!お父さんが何とかするからね!いつも通りお母さんにも内緒ね!今どこにいるの?うんうん…すぐに行くからね!」

…。

山ノ内「佐藤くん、急用が入ったからしばらく待っててくれ」

と急いでドアを開け、掛け出していく山ノ内課長。

 

佐藤「…」

倉本「…」

リナ「…」

コルク「…」

ナム「…♪」

 

店内には急いで階段を降りていく、山ノ内課長の足音だけが響くのであった。

 

この一部始終を、カウンターの片隅で、含み笑いで眺めているブッくんは五杯目のビールを口にしているのであった…「ごくっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

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